就労移行支援事業所 チャレジョブセンター熊谷 2015年度事業報告書
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7 Ⅱ.通所訓練について ◆ 訓練への流れ センターは9時半から11時45分までが基本のトレーニング時間になっています。この時間を2コマにわけて、利用 者の方々それぞれがトレーニングプログラムを作成し、取り組まれています。プログラムは週の最終日に、翌週1週間 分の予定を作成します。プログラム作成についての課題としてあげられることは、通所に慣れてきたころ、本人にとってとりくみ易い課題を組みつづけることによるマンネリ化が挙げられます。常に就労に対しての意識を維持しておくことができればよいのですが、精神障害のある方はストレスにもろかったり、自身の現時点での力や耐性をしっかり内省するということができにくかったりするため、日々のセンターでの利用者同士のできごとに影響され浮き沈みがあり、安定した通所が難しい場合もあります。そうした場合でも、利用に至るまでのアセスメント、トレーニング、面接や実習の同行、定着支援まで同一のセンタースタッフでできることが就労支援の重要な要件になると考えられます。通所期間中に養われる一貫した人間関係に基づいて、就労への意欲が落ちた時に何らかのケアや立て直しを行えるようにしたいと考えています。 §初期アセスメント 通所開始時にはルーティンで以下のような適性を見るツールを使用し、職員がアセスメントを行っています。主に1週間から10日かけてそれぞれのツールで出た結果を職員とともに振り返りながら、自覚と違和感がないか、意外な部分についてはプラスに取り入れられる範囲かどうかなどについて考えを伺います。それを言語化し、共有することで、理解や受け止めを確認しながら、こうした検査を受けただけにならないよう、また、その結果を「占い」のように受け止めていないかどうかの理解面に注意しながら、あくまでも現在の一側面を反映したものであることを確認していただいております。 【入所時使用ツール】 ① VRT ② キャリアインサイト ③ MSFAS ④ PDCA作成 これらを、資料にしてセンター長が個別面談を行ない、健康状態、就労意欲、課題への取り組みの意欲、ハードスキル、ライフスキルの確認を行ないます。このとき、生い立ちの聞き取り内容の把握を正確に行うことも重要ですが、その時の応答、様子などからその方特有のコミュニケーションのあり方を理解し、その方を全人的にアセスメントし、支援に携わる全職員に周知するところを大切にしています。
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