就労移行支援事業所 チャレジョブセンター熊谷 2015年度事業報告書
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2 はじめに わたしたちは、ひとりひとりの個性を大切にし、ひとりひとりがそれぞれの力を発揮し活躍できる場の出会いをproduceできるような支援を目指して、2013年4月、桶川市にてチャレジョブを開設し、翌年3月には同市内に就労移行支援事業「チャレジョブセンター」を開設いたしました。特別支援学校から一般就労への就労が約24.3%となっている一方で、障害福祉サービスから一般企業への就職は年間1%~3%(H23年3.6%)にとどまっています。そうした中、就労移行支援から一般企業への就職は20.1%(H23年)と、就労支援施策の対象となる障がい者数全体の中では相対的には高くなっています。しかし、同じ疾病、同じ障がい名であっても生活上の支援ニーズがそれぞれ異なるように、定着した就労を目指すとなると、職員とのきめの細かい気持ちのやりとりや不安の共有といった共同作業をする必要があります。そういった支援のニーズを考えるとき、その体制と方向性については、さらに反省とともに検討していかねばならないところです。 毎日の通所を通して痛感されることは、障害の特性といったことではなく、その方の特性を理解することの必要性です。生活支援と就労支をわけずに行うことで、体調や生活の管理と就労の準備を同時に支援しています。こうした生活と就労の一体的支援には、医療機関との連携も必要となってくる場面が想定されます。地域における連携の在り方も今後の課題となっているといえます。 米国では、90年代から知的障害者だけでなく、精神障害者に対しても一般就労には援助付き雇用(supported employment)が有用であるとされ、その成果をレビューした論文もでています。わたしたちも、センターを利用された方々が一人でも多く、ご自身にあった就労を実現できるような支援機関であるよう努めていきます。
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