就労移行支援事業所 チャレジョブセンター熊谷 2015年度事業報告書
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9 ◆ 主な個人課題の提供の仕方について ① 漢字:漢検の級を目安にしてドリル教材を使用、漢検模試シートを用意し、ドリルの出来具合で模試にチャレン ジしていくステップ方式にしています。漢字については日常使用するものであり、読めても書けないといった現状を 知ることができる上に、自学でステップアップできることがとりくみやすいようで、大半の利用者がプログラムに週に複数回、あるいは、午後の任意のトレーニングとしてとりいれています。 ② 計算:最初は、小学校の学年単位のドリル形式の教材を用意しましたが、学力到達レベルが年齢に応じてい ないケースが多くあり、それぞれの取り組みのモチベーションが保てないことから、目的を集中力と正確性アップに しぼり、100マス計算を用意しました。積極的にプログラムに取り入れる利用者が増加したことから、取り組みやすかったことと、達成感を得られること、加減乗除、桁数を選択して自由に問題作成できるweb上のフリー教材を利用したことで、提供しやすくなりました。集中力不足の利用者だけでなく、過集中となった方も自分の集中の加減がわかるようになったという感想もでており、成果があったと考えられます。 ③ ペン字:Web上のフリー教材を利用。ペン字については、職員が丁寧に添削するという作業を加えることで利 用者のモチベーションがあがったことと、実際に字が粗雑であった利用者も含め全員が、職員が目を みはるほどの上達を見せたことで本人の満足度、今後の履歴書等の書類作成について、現実的な成果があったと考えられます。 ④ 自己分析:自己分析については、現在籍者の特徴ともいえることですが、自己評価が低く、自分の長所や適 性を活かした就労をイメージできにくいということがあります。自己分析については、最初に概要と簡単な内容の冊子 を配布し、それが終わった方について個々の様子を確認しながらさまざまな方法をとっています。シートについては、必ず内省した内容を職員と振り返りを行ない、最終的に就労後の職場で、どう短所を補い、長所をいかして仕事をするのかが見つけられるよう支援しています。 ⑤ コミュニケーション・ビジネスマナー:この二つに関しては、利用者に共通した課題についてはセミナーで学び、個別対応が必要な場合は、その利用者個人の現実の問題場面を利用しながら、できる範囲の改善を求めて職員が資料を作成、マンツーマンで取り組んでいます。特に発達障害の方については、課題の理解の段階から個別対応が必要と考えられ、マンパワーの問題とともに提供できるプログラムに工夫が必要となります。 ⑥ PC基本操作:Excel、Wordの基本操作について、テキストを提供し、自学で進めています。質問は随時職員が受けており、時には一緒に試行錯誤してみるということを行なっています。こうした共同作業でむしろコミュニケーションが深まり、達成感を感じる場面も多くなっています。職員側にある程度のPC知識があることが望ましいといえると思います。 ⑦ 一般常識:主に就活用の一般常識問題集、書籍、政治、経済の解説書による自学。web上に公開されている学生用の問題、就活用の問題を引用して、職員が当月分の問題・解説を作成して提供しています。3か月に1度程度、週1で開催されているセミナーの一部で共通講義にて時事問題をとりあげ、社会の動きへの関心を高めていただける一助としています。
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